薬剤師にはどのような仕事があるの?

薬剤師の仕事

皆さんは「薬剤師」に対し、どのようなイメージをお持ちでしょうか?


白衣を着ている人。薬を作っている人。薬の使い方を説明してくれる人。
私が高校時代以前に抱いていたイメージは、そのようなものでした。


私が薬剤師に興味を持ち、それを目指すようになって初めて知る事になるのですが、実際にはもっと幅広い分野で薬剤師は活躍しており、中には「え!?そんなところでも薬剤師さんが!?」と意外に思う仕事もしばしば。。


今回はそんな薬剤師の仕事について紹介していきます!

~主な薬剤師の仕事~

  1. 調剤薬局 薬剤師
  2. ドラッグストア (OTC薬剤師)
  3. 医薬品卸売業 管理薬剤師
  4. 病院 薬剤師 
  5. 公務員 (国家公務員、地方公務員) 薬剤師
  6. 製薬企業 (MRなど)
  7. CRA (臨床開発モニター) 
  8. CRC (治験コーディネーター) 
  9. 大学教職関係 (助手、助教、准教授、教授など)
  10. 薬剤師 予備校講師
  11. メディカルライター
  12. スポーツファーマシスト
  13. 通信販売業 (インターネット販売など)
  14. その他 (自衛隊、刑務所、麻薬取締官、学校薬剤師、薬局経営コンサルタントなど)


とりあえず私が把握しているものを列挙してみました!
(※ここには記載されていない仕事もあるかと思います。)
どうでしょう?予想以上に沢山の仕事があるとは思いませんか?

私は上記の中で「1.調剤薬局」「2.ドラックストア」「3.医薬品卸売業」の職務経験があり、この3つについては後にもう少し詳しく記事を書こうと考えておりますが、各職種について、ここで軽く触れていきます!

1. 調剤薬局 薬剤師

医療機関で発行される処方箋(しょほうせん)に基づき調剤業務を行う薬局。そこで活躍する薬剤師です!主な業務をひと言で言えば「処方箋を確認しながら医師の指示通りに薬を準備し患者さんに提供する」という事になりますが、ただ単純に薬を処方箋通りに用意するだけの仕事ではありません。処方箋に記載された医薬品の使用や用法用量が患者さんにとって有効かつ適切であるのかどうか、相互作用は問題ないか、他院からの処方や手持ちの薬と重複していないか等、調剤をする上で確認しなければならない事が沢山あります。また医薬品を適切に使用して頂くため、患者さんに薬の使用方法や情報を提供する事(服薬指導)も大切な仕事です。非常にやりがいのある仕事で、薬剤師の職種としても代表的な職場であると言えます。

2. ドラッグストア(OTC薬剤師)

日用品や化粧品、そして市販薬等を扱うドラッグストアでの業務ですOTCとは「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略でカウンター越しで販売するという意味になります。処方箋無しで購入する事が出来る市販薬はリスクごとに分類され、その内「要指導医薬品」と「第一類医薬品」については薬剤師による対応販売が義務付けられております。また医薬品に関する相談応需や店内にて扱う医薬品の管理や帳簿の記入等もOTC薬剤師の立派な仕事と言えるでしょう。恐らくは、お客さん(患者さん)からして最も身近な薬剤師が、この職種になるかと思いますので薬の相談窓口として、その仕事のやりがいは非常に大きなものだと思います。

3. 医薬品卸売業 管理薬剤師

メーカーより仕入れた医薬品を病院や薬局、ドラッグストア等の医療機関や医薬品販売業者へ販売する仕事です。医薬品流通の要とも言えるこの場でも薬剤師は活躍しています!主な仕事内容としては医薬品の品質管理や保管、情報の収集と提供、多職種スタッフへの研修担当や販売に関する薬事管理など実に様々です。医薬品の流通が滞ってしまうと、それを必要とする方々に安定した供給が出来なくなり、大変な健康被害が発生する可能性があることから、非常に重要な職務であると言えます。

4. 病院 薬剤師

医療現場の最先端である病院でのお仕事です!最新の医療や新薬に触れ、知識をどんどん深める事が出来る職種で非常にやりがいがあります。またチーム医療にも携わる事があり、医師や看護師を含めた様々な職種の方々や患者さんとも接する機会があり、日々刺激を受けることが出来ます。調剤業務では内服、外用薬だけでなく注射剤や無菌製剤の調剤(混注)も行っており、一般的な調剤薬局と比べると更に様々な調剤経験が出来るのも病院ならではの魅力です。

5. 公務員 (国家公務員、地方公務員) 薬剤師

公務員としても活躍する薬剤師がいます!その職務内容は非常に幅広く多岐に渡るため、薬剤師の資格を活かして様々な仕事をしてみたいと考えている方にお勧めです。国家公務員薬剤師は厚生労働省の総合職であり、薬事行政や食品衛生、研究開発などを中心に業務を行っています。地方公務員薬剤師は各都道府県で実施される公務員試験に合格後、それぞれの地域にて保健所や役所、病院や研究所などに配属され日々私たちの生活を支えてくれています。

6. 製薬企業 (MRなど)

製薬企業に於いても、医薬品を製造する上での品質管理や研究開発、医薬品情報の発信(DI業務)などの分野で活躍する事が出来ます。また営業職である医薬品情報担当者(MR)として活躍する薬剤師もおり、医療機関に自社製品(医薬品)の情報提供を行い地域医療に貢献しています。下記に後述するCRA(臨床開発モニター)やCRC(治験コーディネーター)も企業の業務に含まれますので、非常に多くの経験が出来る職種と言ってもいいでしょう。

7. CRA (臨床開発モニター)

主に新薬の有効性や安全性を確認する試験(治験)の進行管理やモニタリングを行う仕事です。製薬企業が用意した治験実施計画書(プロトコール)を元に医療機関への説明や契約を行い、契約締結後は適切に治験が行われているのかを確認し、モニタリングやデータ結果の報告書を作成します。製薬会社や医薬品開発業務受託機関(CRO)での就業となりますが、治験を実施する医療機関での業務も有るため外勤も多く、色々な場所でバリバリ働きたい方にお勧めです。

8. CRC (治験コーディネーター)

新薬開発を行う上で実施される「治験」の調整役と言われるのがCRCです。上記記載のCRAが主に製薬企業に就業するのに対し、CRCは医療機関や民間企業であるSMO(治験施設支援機関)で働きます。業務内容としては、CRAが行うミーティングのサポートや検査機器の管理などの治験準備、被験者の募集やスケジュール管理、治験の説明文書と同意書の作成、製薬企業への症例報告書の作成など治験実施に関する様々な業務があります。被験者を含め、人と接する機会が多いため、コミュニケーションを取るのが好きな方にお勧めです。

9. 大学教職関係 (助手、助教、准教授、教授など)

専門分野の研究や学生教育を行う大学でも働く道はあります。私の知人も卒業後に助手として大学に残り、今では助教として頑張っているみたいです。助手は主にアシスタント業務がメインで授業は担当しませんが、助教は学生の教育や指導も行うため、人に何かを教える仕事や研究に打ち込みたい方にお勧めです。准教授や教授にもなれば、より多くの権限を持ち教育や研究に携われるでしょう。

10. 薬剤師 予備校講師

薬剤師専門予備校で講師として働く仕事です。国家試験合格に向けて勉強をサポートする事が主な仕事ですが、私立大学等から依頼を受けて講義を行う事もあるようです。実際、私の通っていた大学では予備校の講師の方が国試対策の授業を行っておりました。他にも国家試験の問題分析や講義資料の作成など予備校ならではの業務が沢山あります。教育に興味がある方、コミュニケーションを取るのが好きな方にお勧めです。

11. メディカルライター

医療や健康に関する情報を受け手に理解しやすいように文章化し発信するのが主な仕事です。ここでの「受け手」は専門家だけでなく一般の方も含まれており、作成するものも医療系雑誌やWEB記事、薬事申請に関わる文書など就職先によって様々です。発信する情報には正確性が求められ、文章化にあたって医療や健康に関する基礎知識を必要とする事から薬剤師が活躍するケースも多いみたいです。デスクワークが好きな方、文章を書く仕事をしたい方に是非お勧めしたい仕事です!

12. スポーツファーマシスト

スポーツファーマシストとは、認定薬剤師の1つでドーピング防止に関する専門的知識を有した薬剤師のことです。近年のスポーツ業界では薬物を使用してスポーツを有利にするドーピングが問題視されており、スポーツ環境の公平性の維持やドーピング防止を目的にスポーツファーマシストの公認制度が始まりました。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によって定められた講習を受講し、試験に合格して認定を受ける必要がありますが、スポーツが大好きな人や薬学的知識をそのような場で活かしたい方には、やりがいを感じられる仕事だと思います。

13. 通信販売業 (インターネット販売など)

今現在、ドラックストアなどで販売している「一般用医薬品 (第1類、第2類、第3類)」はネットでも購入が可能となっていますが、その中でも第1類医薬品は薬剤師による対応販売が義務付けられているため、ネット販売に於いても薬剤師業務が発生します。主にメールや電話による顧客への問診業務や販売可否の判断、医薬品の適正在庫や医薬品広告の管理などPCを使用した業務がメインとなっているようです。通信販売の性質、利便性を考えると今後増々需要が増えていく業務かと思います。

14. その他 (自衛隊、刑務所、麻薬取締官、学校薬剤師、薬局経営コンサルタントなど)

その他にも、自衛隊病院や駐屯地、刑務所にて従事する薬剤師や薬物の乱用を防ぐ麻薬取締官、学校の衛生管理や保健指導を行う学校薬剤師、薬局の経営を助ける薬剤師コンサルタント等、まだまだ魅力的な仕事が沢山あります。恐らくここでは紹介出来ていない仕事も沢山あるかと思いますが、薬剤師という仕事に興味を持って頂けたのなら是非色々と調べてみてください。思わぬ仕事と出会えるかもしれません。

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